このようなぽん酢を生み出すきっかけは、ある日のスーパーへの買い物に行った時でした。
何気なしにポン酢のコーナーを見ていました。
大阪では十数種類のポン酢が陳列に並べられています。
大体のぽん酢の値段は安いもので300円台、高いのは600円台まで並べられています。
前から疑問がありました。なぜこんな安価でぽん酢を販売できるのだようかと。
自分で作ったことのある人がとわかるのですが、この売値と同じくらいの原価はかかるんです。
大量生産によるコスト削減?薄利多売?どちらも関係はしていると思うのですがそれにしても安すぎます。
売値が300円台のを例に挙げると原価率30%とすると原価100円になります。
どうやったらこんな安くでぽん酢が作れるのか?
手に取り裏の成分表示を見て分かりました。
一つめはどこの何ていう調味料、を使っているのかが書いていないこと。
二つめは鰹エキス、粉末などの旨味調味料、アミノ酸、甘味料などの化学調味料を使用しているポン酢が多いということ。
納得です。醤油などなるべく安い調味料で旨味調味料や化学調味料を使ってコストを下げてるんです。
僕ら料理人は調味料、食材を厳選し、なるべく最高級品を使用します。
ましてや旨味調味料や化学調味料などの添加物は一切使用しません。
それは食材本来の旨味でお客様にご満足頂きたいが為です。
そこで、じゃぁ僕が料理と同じ食材と調味料を厳選し、料理法(製造法)にもこだわったポン酢を作ろうと思いました。
また日頃から障がい者施設の賃金の低さ(大阪平均時期146円、月11980円)を何とかしたいと思っており、
そこでこの2つが結びつけようと思い立ちました。
障がい者施設は今まで、商品の質は低く「障がい者が作ったから買ってください」と、物を売る事が現状でした。そうではなくて、障がい者がある方たちでもこれだけの物を作る事に関われる。お情けの寄付的な販売ではなく、普通の商品を作り普通に堂々と売り買っていただく。
そうする事が、賃金も上がり、障がい者を持つ方たちのやりがいにもなり、生きがいにもなる。
そう思い、それまで経営していたお店を止め2年前からポン酢造りを始め、施設には売上の2割を賃金として支払っています。
調味料、食材、製法とも昔ながらの技を伝承した、まさに日本職人の技。
御堪能ください。