鰹の叩き

この間スーパーにいくと「自家製鰹のたたき」が目に付きました。
自家製?この店で焼きましたってこと?

鰻とかだったら、自家製=焼きたて=美味しそう!となりますが、
鰹もたたきは一度表面を焼いて冷やしているので、自家製と書かれていても
鰻ほどの魅力は感じられません。

最近は何でも自家製と書いていれば、お客様は美味しそうと思うだろうと店側が思っているのではないかと思ってしまいます。
僕ってひねくれてますかぁ?
いや、そういう風潮はあると思います。

例えば蟹には「浜茹で」があり、これば獲れたての蟹を浜辺で大きな釜に入れて一気に茹で上げます。
これは
・鮮度が落ちる前に鮮度を止める
・何杯もの蟹を茹で、旨みの出ている釜のお湯で
旨みを逃がさないように
との理由があります。

最近は流通が良くなり生の蟹も店頭に並ぶようになりました。
数日後店頭に「自家製茹でたて」と書かれた蟹が。。
明らかに数日前、生だった蟹です。
鮮度が悪くなったので茹でたんでしょが、
それでも「自家製茹でたて」
買うときには気をつけてくださいね!

そうそう、今日は鰹の叩きでしたね。
叩きの由来は、塩を振って馴染ますために手のひらで叩く。
または、薬味をのせて叩く。
ところからきています。

鰺の叩きは少し違って、身と薬味を包丁で叩くところからきています。
同じ叩きでも、ちょっと違うんですね。

鰹を焼くのはいくつかの理由があります。
1つは、鰹が死ぬと内臓に寄生していた虫が周りの身の方に移り
身の中に入っていきます。
その寄生虫を駆除するために藁で表面を焼いて、煙で燻していました。

もう1つは身と皮の間に美味しい脂がありますが、包丁で皮を取ってしまうと
皮が薄いために、その脂も一緒にとってしまったりするので焼いていました。
またそうすることによって皮が香ばしくなり、脂も程よく溶けます。

昔の人ってえらいですね!焼くときに藁を使いますが、
藁は火をつけると一瞬で高温になりすぐに燃え尽きます。
鰹の表面だけ焼くにはもってこいです。
それと藁から出る煙で燻す。
焼かれた上に燻されちゃ
寄生虫もたまったもんじゃありません。
多分身近に藁があったからという理由だけだったんかもしれま
せんが。。

食べ方には普通の叩きと塩叩きがあります。
焼く前に身に塩を振り、食べるときには四国特産のスダチを
キュッと絞って食べる叩きは何ともうまい!
薬味は青葱、玉ねぎのスライス、忘れちゃいけない茗荷。

普通の叩きはもちろん我がぽん酢「職人の技」で。
叩きの上に薬味をタップリと乗せてその上からぽん酢を垂らす。
そして大きく口を開けて一口で!
枕崎産の上質な鰹節が鰹の旨味をグレードアップ!

よくお店で鰹の下にぽん酢を這わせて出てきますが
これは良くないです。ぽん酢で浸かった鰹の身が
時間が経つと変質して、ぽん酢の味も変わり美味しくないです・・。
お店で頼む時はべつにだしてもらったほういいですね。

秋にかけて鰹が産卵の準備に戻ってきます。(戻り鰹)
冬にかけて脂を溜め込み美味しくなります。

魚屋さんで買う時は切った面を見て皮と身の間が白っぽい
のを選んで下さい。その白っぽいのが美味しい脂です。

美味しい鰹を堪能してください。


あ、普通に藁焼きの鰹の叩きは売っていませんので、
高知の下記のお店から取り寄せできます。

https://www.myojinsuisan.com/smp/

明神水産の藁焼き鰹の叩き

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